
こんにちは、AIを漫画制作に活用したいクマです
皆さん、DALL−E3は使っていますか?
DALL-E3はOpenAIが開発した画像生成AIで、テキストプロンプトを入力するだけでイラストを自動生成してくれます。
ChatGPTやMicrosoft DesignなどのWebサービスでも簡単に使えるのが大きな魅力です。
実際にDALL-E3で生成した画像を組み合わせれば、下のような漫画を描くこともできます。


本記事では、漫画制作におけるDALL-E3の特徴と、その活用方法をわかりやすく解説します。
DALL-E3を漫画制作に活用する4つのメリット
- 導入が簡単ですぐ始められる
ChatGPTやMicrosoft Designerで使えるため、専用ソフトのインストールは不要。
アカウント作成後すぐに利用できます。 - 日本語で気軽に生成できる
チャット形式の指示が可能で、自然な日本語で細かな設定を入力できます。 - あいまいな指示でもOK
「なんか可愛い感じで」などの曖昧表現でもAIが文脈を理解し、それなりの画像を生成してくれます。 - 絵柄が漫画に向いている
他のAIに比べるとクオリティが高すぎず、ちょうどいい“漫画風”のタッチが得られます。
導入が簡単ですぐ始められる
ChatGPTやImage Creatorで使えるので、専用ソフトのインストール不要で、アカウント作成後すぐに利用できます。
AI | 生成枚数 | 商用利用 |
---|---|---|
ChatGPT(無料版) | 1日2枚まで | 可 |
ChatGPT Plus(有料版) | 3時間あたり最大80回 | 可 |
Microsoft Designer | 無制限 ※画像生成の速度には制限あり | 可 |
2025年1月現在の情報です
日本語で気軽に生成できる
日本語でチャット形式の指示が可能なので、まるで友達と会話するように、自然な日本語で画像生成の依頼ができます。
例えばChatGPTで当ブログのキャラクター、ベアちゃんを生成する場合は以下のように入力すればOK
漫画風でクマ耳がついた黒い魔女の帽子をかぶり、茶髪のショートボブ、赤い瞳、眼鏡をかけ、白い長袖ブラウス、首に赤いリボン、黒いマント、茶色のスカート、黒いタイツ、茶色のブーツを着た少女が魔法の棒を持っているイラスト。白い背景。


黒いタイツがニーソックスになってしまいましたが、概ね指示通りの画像が生成されました。
あいまいな指示でもOK
ぼんやりとした指示からでも意図を汲み取って画像を生成してくれます。
「なんか可愛い感じの」といったあいまいな表現でも、AIが文脈を理解し、適切な画像を作り出します。
さきほどの少女がかわいいポーズをとっている


ちょっと足のポーズが可愛くなってるかな?
シーンやシチュエーションを伝えるだけで、場面に合った画像を提案してくれるため、漫画制作のアイデア出しに役立ちます。
絵柄が漫画に向いている
個人の主観ですが、StableDiffusionやMidjourneyなどの画像生成AIは素晴らしい画像を生成できますが、そのクオリティが高すぎるため、かえって漫画には合わないと感じています。
一方、DALL-E3で「漫画風」と指定して生成した画像は、漫画制作に適度なクオリティで、ちょうど良い仕上がりになると思います。
DALL-E3を漫画に使うときに気をつけたい3つのデメリット
- 同じキャラクターを生成し続けるのが難しい
- 生成するたびに絵柄が変わりやすい
- 複雑なポーズの再現が難しい
同じキャラクターを生成し続けるのが難しい
DALL-E3は漫画制作で大切な「同じキャラクターを生成し続ける」という点が苦手です。
- 同じ指示をしても、生成するたびに顔や体型が変わってしまう
- 髪型や服装など、細部の特徴を維持するのが難しい
例えば先程のベアちゃんを同じプロンプトで再び生成してみます。


髪にリボンがついたり、サスペンダーがついたり、袖のデザインも変わってしまいました。
生成するたびに絵柄が変わりやすい
DALL-E3は生成する度に絵柄が変わってしまいます。




同じ「漫画風」という指示でもこのように絵柄が変化してしまいました。
これを漫画にした場合、コマごとに絵柄が変わるので、わずかな変化でも違和感を感じます。
複雑なポーズの再現が難しい
複雑なポーズや動きのあるシーンを再現するのは、現状のDALL-E3ではかなり難しいです。
「ピースサイン」など単純な動作ならよいのですが、バトルシーンのように躍動感のあるポーズや細かな指先・関節の位置などを完璧に表現するのは至難の業。
もしアクション主体の漫画を作りたい場合は、他のAIツールや手描き要素との併用を考えてみるのがおすすめです。
例えばこのフリー素材の写真と同じポーズを生成してみます。


プロンプトがわからないのでChatGPTに直接教えてもらいます。


このプロンプトを少し手直しして画像を生成してみます。
漫画風で、少女がユニークなポーズを取っている。少女は、右手を前に伸ばし、左手を頭の上に置くジョジョ風のポーズをしている。表情は力強く、エネルギッシュな雰囲気を醸し出している。少女はクマ耳がついた黒い魔女の帽子をかぶり、茶髪のショートボブ、赤い瞳、眼鏡をかけ、白い長袖ブラウス、首に赤いリボン、黒いマント、茶色のスカート、黒いタイツ、茶色のブーツを身に着けています。


全然違うポーズが生成されてしまいました。
このように狙ったポーズを生成するのはDALL-E3ではかなり困難です。



動きの少ない漫画にはいいけど、バトル漫画は相当ハードル高そう
DALL-E3をどう漫画制作に活用するか?
すべての画像をDALL-E3で生成する
キャラクターも背景も、全てDALL-E3で生成した画像を使用して漫画制作をすることは可能です。
ただし先程デメリットであげた通り、同じキャラクター(背景も同様)を生成するのが難しい為、違和感を感じる出来になる可能性は高いです。



それでもDALL-E3を利用することで素早く漫画を作成することができます
背景のみDALL-E3で生成する
背景はキャラクターほど注目されないため、多少の違いがあっても違和感が少なくて済みます。
また、必要に応じてぼかし効果を入れたり、セリフやコマ割りで調整したりできるので、かなり有効的に活用できるのではないでしょうか?
どうすれば同じキャラクターを生成できるの?
結論からいうと、DALL-E3単体では問題は解決できませんでした!
ただ、同じとは言えないけど近づけることはできます。
ひたすら画像生成を繰り返す
まずはひたすら同じプロンプトで似たキャラクターが出てくるまで生成を繰り返す方法です。



脳筋
ちなみに冒頭の漫画はこの方法で作りました。
画像IDを使う
次に画像IDを使う方法です。
似たものでシード値というものもありますが、個人的に同じキャラクターを生成するという観点ではあまり必要でない感じがします。
画像ID | 生成した各画像に割り当てられる一意の識別子 |
---|---|
シード値 | 画像を生成する際に使用する内部的なパラメータ |
画像IDやシード値はChatGPTでは使えますが、Image Creatorでは使えません。
また画像IDやシード値は、同じチャットセッション内でのみ有効で、セッションをまたいでの利用や他のユーザーとの共有はできません。
それではこちらのベアちゃんと同じキャラクターが生成されるか試してみます。


同じキャラクターで「魔法を放つ」というプロンプトと、シード値と画像IDを加えてみました。
漫画風でクマ耳がついた黒い魔女の帽子をかぶり、茶髪のショートボブ、赤い瞳、眼鏡をかけ、白い長袖ブラウス、首に赤いリボン、黒いマント、茶色のスカート、黒いタイツ、茶色のブーツを着た少女が魔法を放つイラスト。






シード値を指定したものは帽子にクマが憑依したり、眼鏡がなくなったりして、同じキャラクターとは言い難いものになってしまいましたが、画像IDを指定したものは元画像と近い雰囲気になったのではないでしょうか?
ちなみに画像IDを指定しても、プロンプトが違うと同じキャラクターは生成されません。
上の画像の画像IDと「女の子が空を飛んでいるイラスト」というプロンプトで実行すると全然違うキャラが生成されてしまいした。


加筆修正する
画像生成を繰り返してると、おしい画像が生成されます。
「大体良いんだけど、この部分だけ違うんだよな〜」というような画像です。
そんな画像は絵が描ける方はお絵描きソフトで加筆修正しましょう。
加筆修正できない場合はChatGPTのインペイント機能を使おう
加筆修正できないよ!という方はChatGPTのインペイント機能で修正しましょう。
これまたChatGPTでは使えますが、Image Creatorでは使えません。
先程生成した画像ですが、帽子のリボンが不要なので、インペイントで消します。









他にも表情を変える、といった使い方もできるよ
生成しやすいキャラクターにする
キャラクターにこだわりが無ければ、できるだけシンプルで生成しやすいキャラクターにしましょう。
漫画風で黒髪ショートボブ、茶色の瞳、白いTシャツ、紺色のデニムパンツ、黒いスニーカーの女の子




絵柄は違いますがほぼ同じキャラクターが生成されました。
これで生成ガチャをまわせば、同キャラクターが生成される可能性が高くなるでしょう。
また、人間という種族にこだわりがなければ、シンプルな動物キャラにするという手もあります。
- 動物にすることで、服装に悩まなくて済む
- シンプルな絵柄なので、加筆修正しやすい
シンプルでかわいい絵柄で白いうさぎのキャラクターのイラスト。右耳に赤いリボンをつけている。




リボンが若干違いますが、ほぼ同じキャラクターといっていい画像が生成できました。



シンプルすぎるので、何かのキャラクターと被らないように気をつけてね
StableDiffusionを使う
StableDiffusionのimage to imageと併用すると、同じキャラクターを生成できます。
それ、もはやStableDiffusionじゃ⋯



その通りでございます
DALL-E3の絵柄が好きな方はごめんなさい
このやり方は、手軽に画像生成できるDALL-E3でラフを描き、StableDiffusionで清書をする、といった方法です。
DALL-E3で生成した画像をimage to imageする方法についてはこちらの記事で解説しています。


DALL-E3で同じキャラクターを生成する時の小技
キャラクターに名前をつける
いちいちキャラの特徴を毎回入力するの面倒なんじゃい!
という方は、キャラクターに名前を付けて覚えてもらいましょう。
またまたChatGPTでは使えますが、Image Creatorでは使えません。


ChatGPTがベアちゃんの設定を覚えてくれたので、これ以降「ベアちゃん」という名前を使うと同じキャラクターを生成してくれます。




ご覧の通り服装や絵柄が違いますが、一応同じキャラクターを生成してくれます。
まとめ
DALL-E3は直感的で優れた画像生成AIですが、漫画制作で重要な「キャラクターの一貫性」や「複雑なポーズ再現」には課題が残るのも事実です。
とはいえ、背景生成のみに使ったり、安定しやすいキャラデザインに工夫したりするなど、アイデア次第では漫画づくりの効率を大きくアップできます。
ぜひ本記事を参考に、DALL-E3を活用した新しい漫画制作を試してみてくださいね!
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